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海老原 健一
材料, 71(5), p.481 - 487, 2022/05
日本材料学会誌「材料」における「水素ぜい化の評価・解析法」講座の一部として、水素の昇温脱離分析(TDA)法に関して解説している。TDAでは、水素を含む金属材料の一定割合の加熱によって脱離する水素を測定し、得られる材料温度に対する水素放出割合の関係である昇温脱離曲線から、材料中の水素の存在状態を推定する方法であり、水素ぜい化研究において欠くことのできない測定手法である。内容は、TDAによる水素存在状態の推定に関する実験の概要、及び昇温脱離曲線の数値シミュレーションによる解釈についてである。数値シミュレーションに関しては、TDAにおける水素脱離の原子レベルでの機構、及び数値モデルを詳細に説明し、さらに、純鉄及びアルミニウムの昇温脱離曲線の解釈に関する最近の報告を紹介している。本稿によってTDAの原理や最近の動向について広く理解が進むと思われる。
山内 有二*; 広畑 優子*; 日野 友明*; 正木 圭; 西堂 雅博; 安東 俊郎; D.G.Whyte*; C.Wong*
Journal of Nuclear Materials, 266-269, p.1257 - 1260, 1999/00
被引用回数:20 パーセンタイル:79.79(Materials Science, Multidisciplinary)表面の半分をBC転化した黒鉛サンプルをDIII-DのDiMESにより約15秒間(合計)重水素プラズマにさらし、そのサンプルの重水素リテンション量の2次元分布及び熱脱離特性を昇温脱離分析法(TDS)で調べた。脱離気体種はおもにHD,D,CDであり、放出される割合は黒鉛面及びBC面とも同程度であった。また脱離スペクトルのピークは黒鉛面、BC面ともに3ヶ所存在している。これらの結果は、これまでの実験結果と異なり、サンプル表面への炭素の堆積が原因と考えられる。脱離スペクトルの低温側のピークはBC面の方が大きくこれはB-D結合によるものと思われる。重水素リテンション量はプラズマ流入側(電子ドリフトサイド黒鉛面)のエッジ部が最も多かった。黒鉛面とBC面で重水素リテンション量を比較すると、それぞれ6.110D/cm,6.910D/cmとBC面がわずかに多くなっており、粒子束の大きいエッジ部を抜かした場合、さらにBC面の重水素リテンション量が多く、約1.5倍の値となった。
山木 孝博*; 後藤 純孝*; 安東 俊郎; 神保 龍太郎*; 荻原 徳男; 西堂 雅博
Journal of Nuclear Materials, 217(1-2), p.154 - 160, 1994/11
被引用回数:11 パーセンタイル:68.99(Materials Science, Multidisciplinary)1keVの重水素ビームを照射した炭素/ボロン膜の昇温脱離ガス分析結果について報告する。B/C比が074at.%の炭素/ボロン膜に、473Kにて4.510D/cmのフルエンスまで、3keVDを照射した後、D及びCDの脱離特性を調べた。その結果、Dガスの脱離に関しては、炭素膜では1050K付近に脱離ピークが現れるのに対して、ボロン濃度3%の膜では850Kにピークが移り、さらにボロン濃度が6070%となるとより低温側に脱離ピークが移動する。またボロン濃度の増加とともにCDの脱離が減少することもわかった。これらの結果は、CVDによるBC被覆材やBC転化材料の脱離ガス特性とも一致した。炭素ボロン膜の場合、CDの脱離が炭素に比べて著しく小さくなるのは、Dの脱離が低温側で生じるため、CDの脱離が顕著となるより高温の領域では、表面層に捕獲された重水素の濃度が低いためと考えられる。
海老原 健一
no journal, ,
応力腐食割れの機構の1つの候補である水素脆化の機構を理解するため、水素昇温脱離解析を用いて材料中の水素の状態の推定がなされている。昇温脱離法では、一定割合で加熱する試料から放出される水素量を試料温度に対して測定することから様々な要因が測定結果に含まれる。したがって、測定結果の数値シミュレーションによる解釈が不可欠となる。本発表では、鉄鋼材料に対する水素昇温脱離解析に用いられてきた数値シミュレーションモデル及びその適用例と併せて、平成19年から平成23年に実施されたNEDOプロジェクト「鉄鋼材料の革新的高強度・高機能化基盤研究開発」及び平成21年から平成25年に実施された鉄鋼協会の「水素脆化研究の基盤構築」研究会で得られた結果について紹介する。さらに、アルミニウム材料における水素昇温脱離解析へのモデルの適用について簡単に考察する。